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​HATTENDO SINGAPORE

Managing Director  石岡 大輔 様

―――御社の事業についてお聞かせください

日本ではスイーツパンの製造・販売・企画を行っています。シンガポールでは日本の完全子会社として、アジアを中心に海外事業を展開しています。

―――シンガポールに進出した経緯を教えてください

2012年に海外進出をするにあたって、シンガポール以外にも中国の北京、上海、香港、台湾、韓国、ハワイ、ニューヨークなどで市場調査を行いまた。弊社はもともと広島から情報の発信基地である東京に進出し、全国に展開してきました。今回も日本からアジアの情報ハブであるシンガポールへの展開を皮切りに、アジアへ向けて情報発信していきたいという想いで、進出を決意しました。よくどうして香港に進出しなかったのかと訊かれますが、シンガポールに決めた理由は大きく2つあります。まず、シンガポールは公用語が英語だということです。ビジネスシーンで英語が通じないということがありません。今後の展開を見据えた上で、シンガポールはビジネスの基盤が作りやすい環境にあると判断しました。もう一つの理由としては、フィーリングですね。シンガポールの人の温かさや食事、コンパクトな街並みなどを目の当たりにして、自分がシンガポールに住んでビジネスをやってみたいという強い想いを持ったためです。

―――弊社サービスをご利用いただいた経緯を教えてください

もともとは懇意にさせていただいている広島銀行様からの紹介でお話を伺いました。シンガポールは私たちのような中小企業が簡単に成功できる国ではありません。日本アシストは単純な進出のサポートだけではなく、進出前の試食会の段階からトータルでプロデュースしていただけるということに魅力を感じました。

―――実際に、弊社サービスをご利用いただいた感想をお聞かせください

いい意味で今までのコンサルティング会社に対するイメージが変わりました。当初はコンサルティング会社というと堅いイメージがあったのですが、御社は人情味にあふれる方が多く、ざっくばらんにお話ができました。そういった意味では、ビジネスパートナーというよりも、同じ仲間内と近い距離間で仕事をしているような感覚でした。

また、御社のレンタルオフィスを利用していたこともあり、オフィス内ですれ違ったときにお声がけをする機会が多く、気軽に相談することができました。

―――シンガポール進出にあたり、日本と変えたところはありますか

シンガポールでは店内で製造して、焼きたてを食べてもらえるように変えました。焼きたてのくりーむパンと少し時間を置いたものでは味が変わるんです。焼き立てのくりーむパンはフワフワした触感が楽しめますが、一晩寝かせると中のくりーむがパン生地に浸透してケーキのような味わいになります。日本ではセントラルキッチンで製造して、翌日に店舗に配送しているので、焼き立てが食べられるのはシンガポールだけです。

また店内では、実際にくりーむパンを作っているところを見ることができます。日本ならではの食の安全性やものづくりに対する姿勢をアピールすることで、商品により高い付加価値をつけることができていると思います。ちなみに原材料に関しては、小麦粉は日本のものを使っていますが、それ以外は現地で調達しています。原材料にあえてこだわらないことで、コストを削減できています。

―――シンガポールに進出して新たに発見したことはありますか?

たくさんありますが、特にお伝えしたいことだけ紹介しますね。

まずひとつは表現です。SNSの投稿をチェックすると、pillowyという表現がよく使われています。気になって調べたのですが、これには「枕のようにやわらかい、ふっくらとしている」という意味があるそうです。今までFluffy(フワフワした)やFreshly(出来立ての)などのキーワードをくりーむパンの表現に使っていたので、今後は表現方法もローカライズしていきたいですね。

―――今後の展望をお聞かせください

今後は自社で出店するということはなく、いろいろなパートナーさんにお力添えを頂きながらの出店を考えています。国が違えば、文化、宗教、趣向性なども違う中で、我々がすべてを把握することは無理があると思っています。やはりローカルの事情は現地の方が一番よくご存知ですし、幅広いコネクションをお持ちです。いろいろなところで情報発信をしていく中で、一番初めにお声がけいただき、ご縁があった国から展開ができればと考えています。

現段階でそのようなお話を進めている国としては香港、タイ、インドネシアですね。特に香港は、シンガポールでの出店を機に数社からお問合せをいただいています。また、シンガポール国内においても2店舗目の出店を検討しているところです。

―――シンガポール進出を考えている人に向けて、最後に一言お願いします

最近はシンガポールの進出を検討されている企業が増えてきていますが、実際に進出をしているところは少ない状況です。確かに家賃や人件費の高さなどを見ても、シンガポールの参入障壁は高いです。しかしその一方で、シンガポールでビジネスをするということは会社のブランディングにもつながります。実際に地に足を運んで、現地の生活スタイルや食べ物、味覚、宗教などを目で見て、思いきって一歩踏み出していただきたいですね。

せっかくシンガポールにきているので、国を問わず、ローカル、日系、外資系うまくバランスを取りながら、現地と関わっていくことが重要だと感じています。

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